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トコジラミの特徴と対策

 人の血を吸い、強いかゆみを引き起こす「トコジラミ」。国内外で被害の報告が続いている。旅先で被害にあうケースも多いとされる。どんな注意が必要なのか。

 トコジラミはカメムシやセミと同じ仲間で、褐色。成虫は5~8ミリほどで、血を吸うと丸く膨れ、体長も伸びる。

 ふだんは屋内のベッドまわりや、家具の隙間などに生息し、夜になると活動する夜行性だ。

 かつては南京虫と呼ばれ、生活環境の改善などで被害は減少していたが、海外旅行をした人が荷物とともに持ち込むなどして、国内でも被害が増えていると指摘されている。

 東京都保健医療局によると、都内の保健所に寄せられたトコジラミの相談は、2005~08年度は100件を下回っていたのが、以降は100件を超え、23年度には537件になった。

 では、旅先では何に気をつければよいのか。

 害虫駆除を手がけるダスキン(本社・大阪府吹田市)のターミニックスマネジャー、南野紘之さんは、ベッドや家具の周辺を点検するなどし、ふんや死骸などの痕跡を見つけたら、離れた部屋に変更してもらうことをすすめる。トコジラミが生息している場所には、「血糞(けっぷん)」という黒いしみが多くみられるという。

 旅先からの持ち込みを防ぐため、スーツケースなどの荷物は床ではなく、高さのあるラックなどに置く。「衣類などに付いている可能性もあるため、帰宅したら洗濯したうえで、乾燥機で乾かすことが重要。洗うだけでは駆除できません」と南野さんは話す。

 同社が昨年6月、過去1年間…

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